先駆者利益の可能性

アメリカやヨーロッパと異なり、日本の場合は、フリー労働者や自営業、起業家に対する社会通念は否定的、消極的なものであることはたしかです。勤務先を通じた間接的な支配システムを、むしろ強化したいという権力側の思惑も見え隠れしています。

しかし、それもいずれ変わっていかざるを得ないと思います。国や地方自治体もそれらの人々を取り込むことになるはずです。マスコミも最近は、就職先として職人を取り上げるようになってきました。

先日も「日本経済新聞」で職人さんの特集をしていて、植木職人の子供が親の仕事をそのまま継ぐ動きが出てきたし、自分の意志で飛び込んでくる人も増えているなどと書いていました。

私の家の近所の例ですが、チェーンの喫茶店が増えている中で、落ち着いてコーヒーの飲める喫茶店が健闘しています。コーヒーの値段はチェーン店に比べて高いわけですが、その味や雰囲気に惹かれてくるお客さんが少なくないのです。

これだけ昔風の喫茶店が減ってくると、稀少価値が出てそれなりに商売として成り立つ理屈です。また、私がよく電気製品を買うのも近くの店です。量販店に比べると、製品の価格はたしかに高いのですが、取り付け工事ではこちらの希望の時間に来てくれるし、故障の際もすぐに見に来て修理してくれる。きめの細かいサービスをしてくれるので、長く付き合いたくなる店です。

独立はリスキーですし、成功のためには超えなければならないハードルがいくつもあるのは事実です。しかし、今のうちに始めて、もしうまく行けば先駆者になれるかもしれません。