2014-01-01から1年間の記事一覧

帝国主義パワーポリティックスの中の朝鮮

『閔妃暗殺、朝鮮王朝末期の国母』角田房子新潮社石器、長坂覚氏の名著『隣の国で考えたこと』(一九八〇年、日本経済新聞社)の中に、金大中事件の際、これを韓国政府による主権侵害だとする議論が日本でわきおこったのをみて、韓国のある要人が氏に「他の…

大きな内外価格差

日本の円の為替レートがアメリカのドルにくらべて二〇年そこそこのうちに三倍以上にもなったという事は本来大変喜ばしく歓迎すべき事である。なぜなら、それは日本の産業の競争力がそれだけ強化されたという事であり、また円の為替レートが高いという事はそ…

二十世紀文明に対する反省

一九九〇年八月のことですが、ローマ法王ヨハネーパウロー世から一通のお手紙をいただきました。一九九一年が、有名な回勅「レールムーノヴァルムレRerum Novarum」が出されて百周年に当たるので、新しい「レールムーノヴァルム」を出すことになっ…

金鉱山の発見と株価

マルコポーロは『東方見聞録』の中で日本を「黄金の国ジパング」と呼びました。真偽のほどは分かりませんが、中尊寺の金色堂に関する伝聞を耳にしてこう呼んだともいわれています。有史以来、人類が世界中でこれまでに掘り出した「金」の総量(地上在庫)は…

大学淘汰の時代

一九八〇年代初頭に、アメリカでも青年人口の減少と大学進学率の停滞のために学生数が減少するという予想が盛んに行なわれた。連邦政府や州政府の高等教育予算の削減によって、奨学金や研究のための資金の入手もだんだん苦しくなってきた。その結果少ながら…

大ざっぱな推計の根拠

選挙戦が展開されている五月下旬に私は、休日の暇つぶしを兼ね面白半分で、主要政党の州別得票率予測表なるものを作り、知人のジャーナリストたちに配るという「遊び」を始めた。インドネシア研究が専門といっても私は政治学者ではないし、選挙予測の手法に…

三方一両損のニ〇〇二年度改革案

保険方式で対立するのも無益なように思われます。保険は医療を財政的に支えるものだからです。かかった医療費は誰かが支払わなければなりません。医療費総額をどのように割り振るが、という問題にすぎないからです。むしろ、効率的にいかに良質な医療を提供…

高血圧症の症状と検査

血圧検診は定期検診のなかで最も広く行われています。前述のように高血圧症の頻度は年齢とともに増加します。しかし、高血圧症は通常自覚症状をともなわないので、血圧を測る以外にそれを知る方法がありません。熱があれば、体温計で測らなくてもだいたい予…

高脂血症の危険因子

中性脂肪もコレステロールと同様に食事から取り入れられるものだけではなく、肝臓でもつくられます。その大部分は筋肉や心臓でのエネルギー源として使用されます。そして余ったものか、皮下脂肪のかたちで蓄えられます。リン脂質とは、血清脂質のうちリンを…

文明批評的な方法

私がまだ論壇時評を続けていた1976年5月、既に第2章で触れた社会学者ダニエル・ベルとの対談の企画が「東京新聞」でたてられた。そして私はアメリカに渡ってベルと会うことになった。この対談を契機に私はベルの広い学識と現代社会に対する深い見通しにすっ…

同級生らに事情を聴いて

5日午後2時20分頃、京都府京田辺市の木津川で、同府井手町内の小学校3年の男児(9)がおぼれ、6日未明、川底に沈んでいるのが見つかった。男児は搬送先の市内の病院で死亡が確認された。男児と一緒にいた同級生3人が事故を目撃したが、「以前、川で…

優柔不断な男

私は、自分の周辺になくなったからといって、めったに消滅という言葉は使えないなあ、と反省した。けれども、衰微だとか激減という言葉は使える。詩吟も浪曲も講談も衰微した。激減をただちに衰微とは言えないものも、世の中にはいろいろあるのではないか、…