すごくイケてる名前

子どもに幸せになってほしいとか、大きな夢を持ってもらいたいとか、相応の親心はあるに違いない。どのような名前をつけても、親の自由であることも言うまでもない。ただ、いくらなんでも、と引いてしまうような名前もあって、それこそ親心を疑いたくなる。双子を持つ二〇代の母親と会ったとき、子どもの名前と由来を聞いて驚いた。男児と女児の双子だったが、男の子は「うると」、女の子は「らまん」という。それぞれ独立して聞けばそれはどの違和感はないかもしれないが、二人を合わせると「うるとらまん」。そう、怪獣と闘うウルトラマンを想定して名づけたのだ。

「息子のほうは、もちろん強くてかっこよくなってほしいから。娘はちょっと迷ったけど、でもこれからの時代は女の子もヒーローみたいに、バリバリ世の中を渡っていってほしいし。『らまん』なら、フランス語で愛人って意味もあるから、いろんな人に愛されるという意味でもすごくいいなと思ったの。とにかく二人合わせてうるとらまんだから、ほかの子どもとは違ってオンリーワン、無敵って感じでしょ」双子の名前をつづけて呼ぶ人はいないだろうから、実際には「うるとらまん」だとわからないかもしれないが、空想世界のヒーローの名をそっくり我が子につけてしまう感覚はさすがについていけない。

別の二〇代の母親は、娘に「愛撫」とつけた。読み方は「らぶ」だが、字だけを見れば人名として適当とは言えないだろう。だが、この母親も屈託がない。「らぶ、という読み方は子どもが生まれる前から決めていたの。でも『愛』つて字ではありきたりだし、絶対にほかの人がつけないような名前にしたかった。いろんな人にべ夕べ夕と愛される子どもであってほしいなと思ったから、『愛撫』がピッタリだって」いくらべ夕べ夕愛されるような子どもになってほしいとしても、「愛撫」ではどうしたって性的な印象は拭えない。学校へ行ったり、社会人になったりしたとき、こういう名前で不利益にならないのかと心配になるが、当の母親は意にも介さない様子だ。

「人がどう思うとか、関係ないし気にしない。私かつけたかったんだし、自分としてはすごくイケてる名前だと思う」「うるとらまん」の母も、「愛撫」の母も、どちらも「私の名づけ」に自信満々だ。私がつけたくてつけた名前、私の考えで決めたこと。そこには、名前をつけられる子どもの気持ちや、子どもの名前を呼ぶ周囲の人の視点はない。あくまでも私かよければそれでいい、この私のつけたかっこいい名前に注目して、と言わんばかりなのだ。

また、私か直接取材したケースではないが、ある母親が出産のために入院していた産院には、「一寸法師」という名前の男児がいたという。いったいどういう意図で名づけ、またどんな読み方をするのかは不明だが、こんな名前で子どもはいじめられないのだろうか。「一度耳にしたら忘れられないくらい強いインパクトがある」名前には違いないし、親には親なりの思いがあるのだろうが、何かつかみどころのないその感覚に、暴走育児の一端が見える気がする。

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