少子化・高齢化

日本では「高齢化」と、女性が子どもを少ししか産まなくなる「少子化」とが同時並行的に進んでいる。前者は、医療制度の改善など、日本の近代化・生活水準向上の成果である。

後者も、産児抑制の知識・手段に欠け、また幼児死亡率の高さゆえに歩留りを考えて十人前後も多産していた戦前に比べれば、同じ近代化の結果といえる。

ただ、日本における少子化は、先に近代化や都市化が進んだ欧州先進国を超す勢いで進んでいる。この急速な少子化が高齢化と密着していること、双方が先進国の先例を超える水準に至っていること、さらにその進み方のスピードがきわめて速いこと。これが経済の不振を中心とする日本の各種の問題の根底にある。

日本政府(総務庁)の統計上は、「六十五歳以上」を「老人人口」としていて、一九九九年十二月一日現在で二千百四十四万人。総人口(一億二千六百七十九万人)に占める割合(高齢化率)は一六・九パーセント、ほぼ六人に一人である。

前年の一六・ニパーセントよりさらに高くなっている。国連の定義では「六十五歳以上人口七パーセント以上」をもって「高齢化社会」としている。そしてその二倍の「一四パーセント」を超えた社会を「高齢社会」とする。

日本は九五年にこの状態に達しているのだが、その先も高齢の度合いがさらに高まる「超高齢化」ともいうべき状況が続いている。