クスイムンが観光になる

たとえば高糖度トマトというのがある。普通のトマトは直径一〇センチで重さも二〇○グラム以上あるが、これはその半分にも満たない。しかし、甘くて香りが強く、うまみも濃縮されて、じつにおいしいのだ。値段も普通のトマトの数倍から一〇倍以上もするが、そ…

貿易摩擦からバブル経済へ

日本経済を回復させたのは、円安による輸出の伸びであった。この頃、アメリカでは、一九八一年に成立したレーガン政権のもと、「強いアメリカ」「小さな政府」を掲げて、大減税を行うとともに、社会保障費を削り、軍事予算を大幅に増やすという偏った政策運…

すごくイケてる名前

子どもに幸せになってほしいとか、大きな夢を持ってもらいたいとか、相応の親心はあるに違いない。どのような名前をつけても、親の自由であることも言うまでもない。ただ、いくらなんでも、と引いてしまうような名前もあって、それこそ親心を疑いたくなる。…

産婦の緊張が解けるようなアットホームな雰囲気

このような分娩方法において、親がリラックスできること、スタッフとの人間関係が確立できること、問題点をある程度理解できること、などの利点があり、利用者の満足度はきわめて高く、多くの家族は分け合った経験が人生を豊かにし、家族をより密接な間柄に…

文化の享受能力を高めるために

二つのCIであれ、クリエーターの経済生活の保障や機会の提供であれ、これらは文化の供給者であって、文化の究極にして最終の享受者は消費者です。これこそもう一つのCであって「文化の享受能力を高めるために社会の資源を配分する」ことは文化経済学の最…

「文化」が持つさまざまな意味

「はじめに」でも触れましたように二一世紀へ入った現在、「文化」という問題が改めて大きく浮上し、これからの世界を考える上で重要な現象となっています。その背景には、前世紀の九〇年代初めに起きた東西冷戦の解消という、画期的な世界政治の変化があり…

帰属意識が強い日本

帰属意識が強い日本では、会社や学校が面倒を見てくれるのが当たり前と思われているところがありますから、日本でやる限りは、そのへんはある程度の妥協点を見出してやるより仕方がないでしょう。いまはまだ過渡期ですから、自分でつねにバランスを考えてや…

ロスチャイルド家の影

この問いに対する答えになるかどうかは不明だが、一つのヒントになると思われる事実はある。ロスチャイルド家の影である。ソロス氏がアメリカへ移住したのは一九五六年。それまでは、本人の弁によれば英国金融の中心、シティの銀行や金融ブローカーのもとで…

新しいマーケット・ヒーローの誕生

その一方、一九七九年には、蓄えた私財を投入し、慈善活動のための「オープン・ソサエティ」財団を設立し、アジア、中南米諸国(後には旧ソ連、東欧諸国も含めて)の民主化や市場経済への移行を支援するようになる。フィランソロピスト(慈善家)・ソロス氏…

株を買う時には予測が働く

ソロス氏は大学を卒業すると、ロンドンの銀行で数年働いてから、一九五六年にはニューヨークのウォール街に移り、経験を積む。ヨーロとハ市場に関する知識と、自らが考案した「反射理論」(人間の経済、投資活動は合理的とは言いがたく、常に期待値が入り込…

ナチス占領下の原体験

ソロス氏は一九三〇年、ハンガリーの首都ブダペストで、ユダヤ人の両親のもとに生まれた。第二次大戦中は、ナチス・ドイツがハンガリーを侵略し、多数のユダヤ人が強制収容所送りとなった。ソロス少年の父親はもともと法律家であったが、オーストリア・ハン…

ヘッジファンドは国家の規制を逃れるため、タックス・ヘイヴンを本拠地にしている。

これらソロス氏に頼っているヨーロッパの中央銀行や大手銀行の中には、長い歴史を誇る国家や王室、旧貴族階級からその膨大な資産運用を任されているところが多い。そのことがまた、ソロス氏のパワーの秘密ともなっている。また、これらヘッジファンドは国家…

当初は株式を中心にしたロング・ショートの取引が基本

当初は株式を中心にしたロングーショートの取引が基本であったが、一九八〇年代以降、レーガン、サッチャーの進めた金融市場や資本移動の自由化政策の結果、投資の対象も株式、債券、通貨、商品などあらゆる資産にまたがって行われるようになってきた。それ…

安定志向の強い伝統的銀行では、果敢な投資判断ができない。

安定志向の強い伝統的銀行では、不安定な状況における果敢な投資判断ができない。大きな利益を得るためにはリスクも伴う。そのリスクをヘッジするには、先を見通す力が必要となるが、彼らにはそれがない。そこで、先を読む力、リスクへッジを売り物にするヘ…

わが国では「情報とはあくまでサービス」といった考えが根強い

話は外れるが、このような市場操作や世論誘導というソフト戦略の可能性について、日本では余りにも関心が低いと思われる「わが国ではソロス氏の盟友」とのウワサがたえない、大蔵省の榊原英資財務官がときたま見せる、市場への「口先介入」が目立つ程度で、…

現代のロビン・フッド

いわば世界のマネーがアメリカに音たてて流れ、それを背景に一ドル=一三〇円台後半の円安ドル高基調が続いていたのだが、その一方で、日欧の実力に比べてアメリカの株価は実態以上に高くなっていると危惧する声もあったのである。ある時点からはかつてアメ…

「マネーゲームは心理学」

本人も時おり洩らしているように、ソロス氏が最も得意とするのは、このような「ウワサを使った人心(市場)操作」である。マネーゲームは彼らにとって、経済学であるとともに心理学でもあるのだ。例えば、一九九三年三月、ソロス氏は「入手したばかりの内部…

ヘッジファンドだけでアジアの小国といえども通貨攻撃などできるはずはない。

ヨーロッパを手始めに、タイやマレーシア、韓国や日本といった国家を相手に次々と通貨投機を仕掛ける以上は、最高の機密情報へのアクセスが必要であろう。ソロス氏がそうした実力の持ち主であることは、マレーシアの例に見る通りだが、先に紹介した「ヘッジ…

マハティール/ソロス論争がここまで外交問題に発展した背景

そこで、アメリカのアイゼンシュタット国務次官(経済担当)は東南アジア歴訪の途上、「投機筋のみを糾弾するのは事実と反する」とした上で、「アジア諸国にとって引き続き市場を開放していくことが、長期的発展への最も賢明な方法である」と、間接的なソロ…

ヘッジファンドの投機行動を巡って、ASEAN諸国とアメリカが対立する

アジア通貨危機の後、マレーシア政府はヘッジファンド集団からの攻勢をかわすため、一種の鎖国政策(国外への資本流出規制や為替の変動相場制廃止など)に転じたが、一方で経済政策をめぐる対立から、マハティール首相がアンワル副首相兼蔵相を解任し逮捕す…

先駆者利益の可能性

アメリカやヨーロッパと異なり、日本の場合は、フリー労働者や自営業、起業家に対する社会通念は否定的、消極的なものであることはたしかです。勤務先を通じた間接的な支配システムを、むしろ強化したいという権力側の思惑も見え隠れしています。しかし、そ…

普通のサラリーマンでも融資を断られる時代

最近普通のサラリーマンでも銀行の融資かおりないケースが増えている。会社に勤めていると、個人ではなく会社の信用で融資が決まるから、本人は当然、大丈夫と思っていても、銀行で認められないことがあって、ローンが組めないと契約できないわけです。結果…